中国語の国際音声記号

かつて筆者は札幌三越向いにあるIAY(日之出ビル、英会話がメインのスクール)と言う所で「日本語教師養成講座420時間コース」を受講した事があります。その講座の中で一番面白かったのは「音声学」でした。このとき初めてお目にかかったのが国際音声記号と言うもの。簡単に言うと発音記号です。英語の発音記号は誰でもが習うものですが日本語の発音なんて学んだことがありません。「学校では何でこれをやらないの?」と言う感じです。英語を学ぶとき日本語と合わせてこの音声をやると非常に良いと思いますが実態はどうなんでしょうか。今になってようやく大学の試験に「聞き取りテスト」が始まった位だから多分学校では音声なんて教えていないと想像できます。
それはさておき、このとき学んだIPA(International Phonetic Alphabet) を中国語に当てはめて見ました。Windows95当時はこの記号をLotusのアミプロと言うワープロソフトの外字に登録して入力していたのですが、今はワードの「挿入/記号と特殊文字」から入力できます。ここでフォントを「Arial Unicode MS」、種類を「IPA拡張」とすると下図の様になります。
 
中国語の国際音声記号の表を作っていて困ったのが有気音(p,k,c,qなど)の表記。'の引っくり返ったのが無いのです。何とかならないものかとインターネットで調べるとやはり方法がありました。「結合分音記号」とか「スペース調整文字」を使うのです。
この入力方法ですが、例えば先にpを入力し、次にスペース調整文字(上の図で青の所)を挿入してやります。そうすると左のような文字になります。万事これでOKです。この方法で作成したのが下の表です。舌の位置を示す両唇音とかの表記は標準で無いかも知れません。かつて貰ったプリントや中国語のハンドブックを参考にして素人の筆者が作りましたのでそのおつもりで。

下のものは画像ですが、ワードでhtml化したのがこれです(Arial Unicode MSが必要)。母音舌位図はオートシェイプで作成したのですがIPA部分が作成通りに行きませんでした。それでここはプリントスクリーン(PrtSC)を使用して図形化しました。
この時の注意点はワードの「ツール/オプション/Webオプション」のエンコードをunicode(UTF-8)にしてやることです。フォントはArial Unicode MSを使っているので、少なくてもUnicodeフォントがインストールされていればWindows98でも正常に表示されます。なおこのArial Unicode MSはMicrosoft Office Personal などに付属しています。

Arial Unicode MSのインストール
(1) MS Office XP/2000ならばセットアップ画面のOfficeツールの「インターナショナルサポート/ユニバーサルフォント」 を選択してインストールします。

(2) MS Office 2003ならばセットアップ画面のOffice共有機能の「インターナショナルサポート/ユニバーサルフォント」 を選択してインストールします。
※WindowsXPは[プログラムの追加と削除] より実施。

 

参考:ソースを見ると下記のようになっています。筆者の場合、Word2000からWord2003にバージョンアップしたので、Word2000のとき使っていたMicrosoft Office HTML Filter 2.1がそのままWord2003のメニューの中に登録されました。この機能はWord2003のwebページ(フィルタ後)で保存したのと同じですが、Microsoft Office HTML Filter 2.1を使用したほうが使い勝手が良いのでワードでhtml化するときは「ファイル/エクスポート/コンパクトなHTML」を選択しています。(理由:html化しても編集中の文書はdocのまま、フィルタ後を使うと、保存した時点で編集中のファイル名がhtmlに変わってしまう。)
<meta name=Generator content="Microsoft Office HTML Filter 2.1">
<meta http-equiv=Content-Type content="text/html; charset=utf-8">
<meta name=Originator content="Microsoft Word 11">

 

中国語の国際音声記号(IPA)表記

 
 

IPAフォントと入力ツール

これは何年か前にIPAフォントとIPA入力ルールについて実験した時の話なのですが、バージョンの違いでダメだったりで結構面倒だった。その当時こんな風に記述しておりました。(今のWord2003では試していません。)

現在私のシステムで動作するのは次の通りである。
Keyman 3.2(Windows 3.1)
  Word97 Word2000
Windows98/Me ×
Word2000は動作しない。Keyman5/6では試していないが、Keyman3.2とWord97の組み合わせが一番良いようだ。
Keyman 6.0(Windows 95, 98, Me, NT 4.0, 2000 and XP)
  Word97 Word2000
WindowsXP × ×
Windows98/Me × ×

最初こちらの方をWindowsXPとWord2000で試したみたが、IPAを入力出来たのは僅か。日本語環境では動作しないみたい。
●Keyman 3.2 (Windows 3.1) の入手
●SIL IPA 93 Fontsの入手
英語だけなら
英語学習ツールのページ」にある「English Phonetic Symbol KK」が簡単で使いやすい。
キーボードでの対応は同梱の「発音記号対応表.xls」に書いてあります。

 

参考:Microsoftの「Arial Unicode MS フォントに関する一般情報」より抜粋

記号と特殊文字の種類

基本ラテン ラテン 1 補助 ラテン拡張 A ラテン拡張 B
IPA 拡張 スペース調整文字 結合分音記号 ギリシャ
キリル アルメニア ヘブライ アラビア
デバナガリ ベンガル グルムキー グジャラート
オリヤー タミール テルグ カナラ
マラヤラム タイ ラオス グルジア
ハングル字母 ラテン拡張追加 ギリシャ拡張 一般句読点
上付き/下付きの文字 通貨記号 記号用結合分音記号 文字様記号
数字の形 矢印 数学記号 その他の技術用記号
制御機能用記号 OCR 囲み英数字 罫線素片
ブロック要素 幾何学模様 その他の記号 装飾記号
CJK 用の記号および分音記号 ひらがな カタカナ Bopomofo
ハングル互換字母 その他の CJK 記号 (株)/(有) CJK 互換文字
ハングル CJK 統合漢字 CJK 互換漢字 アルファベット表示形
アラビア表示形 A 結合半角記号 CJK 互換形 小字形
アラビア表示形 B 半角形/全角形 特殊文字 チベット

言語の文字コード

1252 ラテン語 1 1250 ラテン語 2: 東ヨーロッパ 1251 キリル文字
1253 ギリシャ語 1254 トルコ語 1255 ヘブライ語
1256 アラビア語 1257 Windows バルト言語 1258 ベトナム語
874 タイ語 932 JIS/日本 936 中国語 : 簡体字
949 韓国語 Wansung 950 中国語 : 繁体字 1361 韓国語 Johab
Macintosh 文字セット (US Roman) Windows OEM 文字セット 869 IBM ギリシャ語
866 MS-DOS ロシア語 865 MS-DOS 北欧語 864 アラビア語
863 MS-DOS フランス語 (カナダ) 862 ヘブライ語 861 MS-DOS アイスランド語
860 MS-DOS ポルトガル語 857 MS-DOS IBM トルコ語 855 IBM キリル文字 (主にロシア語)
852 ラテン語 2 775 MS-DOS バルト言語 737 ギリシャ語
708 アラビア語 (ASMO 708) 850 WE/ラテン語 1 437 米国

 

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